前回の記事ではAIが嘘をつく「ハルシネーション」についてまとめました。
前回の記事でAIは必ずしも完璧ではなく、それを扱う人間が知識をつけることが重要だとしました。ですが、その完璧ではないAIに仕事を奪われると、ここ数年さまざまな職業に対して言われてきました。それは、スーパーやコンビニのレジ店員や飲食店での店員などのサービス業、エンジニアや事務職などのホワイトワーカーなどもその対象とされてきました。
では、本当にAIに仕事は奪われるのか筆者の体験談も踏まえてみていこうと思います。
なぜ、AIに仕事を奪われるのか?
現在、AIはとても幅広い範囲における業務をすることが可能です。「大量データの分析・処理」「パターン化されたルーティンワーク」をAIは得意としているため、データ入力やコールセンターのオペレーター業務などの単純作業やデータ整理の分野では取って代わられる可能性が高いです。
筆者自身もお客様のチャットサポートにてアルバイトをしていた経験があります。業務内容としてはお客様の悩みを聞いて、答えられる内容であったら答えて、答えられない内容であったら、それに対応した窓口に案内するといったものでした。こちら最初は人間のみで対応していたため、8時間の勤務で平均40件ほど対応しておりました。しかし、途中からAIがお客様のお悩みに対して回答し、その回答に納得できなかった場合はAIが窓口に案内するといった形になりました。この場合、8時間の勤務で平均10件ほどの対応になるまで少なくなりました。しかし、このAIは完璧ではなく、本来は別の窓口に案内されるはずであったお客様のお悩みが筆者の担当する窓口に案内されることが多くあり、それを筆者たちが本来の窓口に案内することが増えました。それによって、お客様と筆者のようなカスタマーサポート側の人間にも無駄な工数が増えるということになってしまいました。
AIが仕事を奪うではなく、AIが仕事を助ける
ここまで、人間の仕事をAIが奪うという面で話してきました。ここからは人間の仕事をAIが助けるという面で話していきたいと思います。
現在は様々なAIがあり、様々な場面において役割に特化したAIがあります。例を挙げると下記のようなものがあります。
1. 文章の作成と要約
この分野を得意とするAIはGemini、ChatGPT、Claudeなどが挙げられます。これらのAIの活用法としましては、「○○向けの企画書の構成を考えて」「打ち合わせの御礼のメールを作成して」と指示することで、文章の土台を一瞬で作成します。この土台を基礎に自分でメールの添削をすることで、時間の短縮が可能かと思われます。また、長い文章を読み込ませて、要約してと指示することで情報をインプットする時間を大幅に短縮可能になります。
2. Microsoft関連アプリとの連携
Microsoft CopilotはMicrosoft社が提供するAIアシスタント及び生成AIなので、TeamsやExcel、Word、OutlookなどWeb会議、表計算、データ処理、スライド作成、メールなど様々な用途のOfficeアプリと強い連携が可能です。これによって、会議内容の文字起こしであったり、データの分析やそれに基づくグラフ化、関数の自動生成、長文メールの要約であったりとビジネスシーンにおいて作業効率をあげるのにとても役立ちます。
また、Copilotはビジネスシーンのみならず、「GitHub Copilot」というツールはコーディングといった技術者の作業の効率化も可能です。こちらはPython, JavaScript, TypeScript, C#などほぼ全ての言語に対応しています。コードの自動補完や機能の実装、エラーの修正などを対話形式でエンジニアの作業を非常に高速化する役割を担えます。
3. Web会議の議事録作成
先述した通り、TeamsやGoogle Meets等のWeb会議アプリなどでは、現在議事録の作成や会議の要点をまとめることなどすべてAIが行うことが可能です。これによって、本来議事録をとる予定だった人の時間の削減であったり、会議の内容を見返す際にもAIが要点をまとめているので、その時間も大幅に短縮可能となります。
上記に挙げたとおりに、AIが作業の効率化を進める助けとなることはとても多いです。筆者のチャットサポートでの体験談もAIの導入によって、お問合せの数が少なくなった結果、お問い合わせ内容に対して、より丁寧に答えることが可能になったというのも作業効率化にあたるかと思われます。上記の内容でも、人間が1から考えずにAIの回答を基にこれまで以上に、洗練されたアイディアを出すことが可能になります。
本当に人間の仕事はAIに取って代わられるのか?
ここまで書いた中でメールや記事の下書き、議事録の作成などの作業はAIによって代替可能かと思われます。しかし、下書きを作成してもらっても、最終的に送付するのは人間です。また、議事録を作成してもらっても、その会議内容を基に判断を下すのは人間です。そのことから人間にあり、AIにはないものは責任感であり、「判断・創造・対人関係・責任」の面では、まだまだ人間の仕事として残る(むしろ価値は上がる)と筆者は考えます。
歴史的に見ても、新しい技術は仕事を「消す」よりも「姿・形を変える」ことが多いです。機械化によって、手工業の職人の数は減りましたが、機械を動かす人・機械の整備士・エンジニアの仕事が新しくできたり、逆に職人の作品の価値が上がったりすることがあります。
このようにAIも同じ流れになるかと思われます。「AIを使えない人」と「AIを使える人」の差が、上記の「職人」と「機械を扱う人」のような差になるかと思われます。
おわりに
AIは完璧ではないが、非常に賢く、非常に速く、時々間違える道具です。
道具なので、正しい使い方を覚える、AIの限界を理解し、最終的には自分の判断が必要だと忘れない。これを頭に入れておくだけで、AIは非常に強力なパートナーになり得ると筆者は考えます。
筆者は「AIに仕事を奪われる」ではなく、「AIと一緒に仕事のやり方を更新する」というほうが現実的で、前向きだと考えます。
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