はじめに
エディタは Zed、AI は Codex CLI。気づいたら、開発環境が Rust 製のツールで揃っていました。
VSCode から Zed への移行をきっかけに、AI コーディングツールも含めて環境を見直したところ、軽量・高速・依存最小という共通の哲学を持つ構成に落ち着きました。その記録を残しておきます。
結論から先に
最終的にこうなりました。
- エディタ:Zed(Rust 製、低メモリ、サブ秒起動)
- AI CLI:Codex CLI(Rust 製、ネイティブバイナリ)
- 月額:ChatGPT Plus $20(Codex も利用可能。利用上限やクレジット制はあり)
Rust 製で揃えたら、軽くて速くて気持ちいい、というのが体験としての結論です。
VSCode が重くなってきた
きっかけは単純で、VSCode が重く感じるようになってきたことです。
フロントエンドのプロジェクト、バックエンドのプロジェクト、それにドキュメント用のフォルダを別ウィンドウで開くと、メモリ使用量が 合計 3〜4 GB くらいになっていました(Activity Monitor で確認)。1 ウィンドウあたり 1〜1.5 GB くらいの感覚です。
ファンが回り始めて「また重いな」と思うことが増え、ワークスペース設定で軽量化できるのは知っていたものの、プロジェクトごとに設定するのが面倒で結局放置していました。
Zed に切り替えてみたら、同じプロジェクトを開いても 300 MB 前後で動いています。3 つ開いても 1 GB に届かないくらい。体感で VSCode の 1/5〜1/10 といったところで、ファンが静かなのが地味に嬉しいです(数値は私の Mac での参考値です)。
Zed のここが良かった
特に気に入っているのは、拡張機能を入れずに、最初から動くところです。
VSCode だと Rust 開発を始めるときに rust-analyzer 拡張を入れて、CodeLLDB を入れて、Even Better TOML を入れて……と地味に手間がかかります。Zed は Cargo.toml を開いた瞬間に補完も診断も動きました。Rust だけでなく TypeScript、Python、Go、C/C++ あたりも同じで、コアに統合されています。
地味に大きいのが Dev Containers が標準装備されていること。VSCode だと Dev Containers 拡張を入れて、内部で VSCode Server がコンテナ内に立ち上がる構成ですが、Zed は .devcontainer/devcontainer.json があれば追加インストールなしで動きます。Remote SSH も同様で、ローカル UI の快適さでリモート開発ができます。
キーバインドの移行も base_keymap: "VSCode" を一行入れるだけで、よく使うショートカットはほとんどそのまま使えました(ごく一部のカスタムバインドは手動で keymap.json に追加が必要です)。
設定例を載せておきます。
{
"base_keymap": "VSCode",
"lsp": {
"rust-analyzer": {
"initialization_options": {
// cargo check の代わりに clippy を使う(より厳しい lint)
"check": { "command": "clippy" }
}
}
}
}
ファイルパスは ~/.config/zed/settings.json です。
Zed の弱いところ
正直に書くと、まだ弱い部分もあります。
拡張エコシステムは VSCode に比べると小さく、GitLens 相当の高機能な Git GUI や Jupyter の完全サポートはまだありません。UI の日本語化拡張も今のところなく、英語のみです。Dev Containers も自動再ビルドはサポートしていないので、設定を変えたら手動で開き直す必要があります。
なので、Jupyter を頻繁に使う人、GitLens のリッチな UI に依存している人、UI が日本語じゃないと厳しい人は、VSCode のままが無難だと思います。
逆に Rust や TypeScript 中心の開発で、エディタの軽さを重視する人にはおすすめできます。私はこちら側でした。
AI ツールは Codex に落ち着いた
エディタを乗り換えると、AI 連携も見直すことになります。最初は Zed のネイティブ AI 連携で Anthropic API を試したのですが、従量課金が個人の対話的なコーディング用途には合わず、固定料金の ChatGPT Plus + Codex CLI に落ち着きました(このあたりの試行錯誤はまた別の機会に書こうと思います)。
決め手は固定料金の安心感だったのですが、もうひとつ後から気づいた理由があります。
Codex CLI も Rust 製だった
導入したあとにふと「これ何で書かれてるんだろう」と GitHub を覗いてみたら、現在の Codex CLI は Rust 実装がメインになっていました。
調べると、2025 年 6 月ごろから TypeScript/Node.js 版から Rust 版への移行が進められたとのこと。現在のリポジトリでは Rust 実装が maintained CLI として扱われており、GitHub Releases からはプラットフォーム別のネイティブバイナリも配布されています。
npm install -g @openai/codex でも導入できますが、実体としてはネイティブバイナリを使う構成です。Homebrew や GitHub Releases から入れれば、Node.js を普段の実行環境に置かずに使えるのも良いところです。
つまり、私の構成は意図せず以下のようになっていました。
- エディタ:Zed(Rust 製)
- AI CLI:Codex CLI(Rust 製、ネイティブバイナリ)
ネイティブバイナリ・低メモリ・依存最小という方向性が揃っていて、起動も速く、気持ちよく動きます。
ひとつ補足すると、生成されるコードの品質はクラウド側のモデルで決まります。CLI が Rust 製であることと AI の出力精度は別の話なので、そこは混同しないように。あくまで動作面・哲学面のメリットとして捉えています。
セットアップ
npm install -g @openai/codex
codex # ブラウザでログイン
Homebrew を使う場合は、こちらでも入れられます。
brew install --cask codex
Zed の Settings から External Agents で Codex CLI を選ぶだけで連携できます。
モデルの使い分け
タスクごとにモデルを切り替えています。
| 用途 | モデル |
|---|---|
| Rust コーディング | codex 系モデル |
| 文章・マニュアル作成 | GPT-5.5 |
| 軽い質問 | mini 系モデル |
ざっくり言うと、コードは codex 系、文章は GPT-5.5 という使い分けです。モデル名や利用上限は変わることがあるので、ここは固定のおすすめというより、私の使い分けメモとして見てもらえればと思います。
最終構成
エディタは Zed、AI CLI は Codex CLI、キーバインドは VSCode 互換、月額固定費は ChatGPT Plus の $20。VSCode と比べてメモリ消費が 1/5〜1/10 になり、起動も速く、設定もシンプルになりました。Rust や TypeScript 中心の開発なら、この組み合わせはかなり快適だと思います。
おわりに
「エディタも AI も Rust 製で揃える」なんて発想は最初なかったのですが、結果的にこの構成に落ち着いてみると、共通の哲学があって心地よく感じています。
VSCode が重いと感じている方、Rust や TypeScript 中心で開発している方は、一度 Zed を触ってみる価値があると思います。設定移行も base_keymap 一行でだいたい済むので、思ったより乗り換えコストは低いです。合わなければ戻ればいいだけなので、気軽にどうぞ。
2026年5月時点の情報です。価格・仕様は変動するため、各公式ページで最新情報をご確認ください。
- Zed Editor: https://zed.dev/
- Zed Dev Containers: https://zed.dev/docs/dev-containers
- Codex CLI: https://github.com/openai/codex
- Codex CLI Docs: https://developers.openai.com/codex/cli
- ChatGPT Plus: https://help.openai.com/en/articles/6950777-what-is-chatgpt-plus
- Codex in ChatGPT: https://help.openai.com/en/articles/11369540-using-codex-with-your-chatgpt-plan
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